創業ストーリー

サイバーリーフ【創業ストーリー】~大麻狂騒曲 日本編①~

2021年9月22日

Cyber Leaf 大麻狂騒曲

Cyber Leaf ~大麻狂騒曲 日本編~

2020年11月、私は池の周りを昼間の休み時間に散歩していた、薄着だったせいか少し肌寒かったが、口元だけはマスクで温かく感じた、そんないつもと変わらない午後に1本の電話がかかってきた。

いつも仲良く話している取引先の担当者だ。

「先日はお食事美味しかったですね・・・、この前の取引では・・・・・」と、いつも通りの会話を話していた、趣味の事から経済の話まで、気の合う担当者だ、そして最後に気まずそうにこう言われた「今後お付き合いしていく事が困難になりまして・・・」

 

私「えっ、どういう意味ですか?」

担当者「いやー、色々と難しい所もありまして・・・」

私「今後取引を中止するという事ですか?」

担当者「はい」

私「えっ急ですね、いつからですか?」

担当者「本日からです」

私「本日???」

担当者「詳しい解約資料は追って送付します、」

そして、担当者さんは申し訳なさそうにに電話を切った。

なぜ突然?コロナの影響だろうか?

私は狐につままれたような気分になった、そして同じような事が数件続きその理由が判明した。

 

「一定の線引きをさせて頂きます・・・・」

「当社の社内規定に反しますので」

「こちらも社会的な目がありますので、考えを改めなおしていただけたら」

「当社では反社会的行為に対して厳正なる態度でのぞみます」

「違法か合法かは問題ではありません、理由は1つ大麻だからですよ・・・」

 

2020年11月、取引先の数社から契約解除の連絡を受け会社はパニック状態だった。

契約解除の理由は、新規事業にCBD関連の製品を取り扱う事についての懸念という事だ。

もちろん取引相手には、合法で厚生労働省の認可も取得すると説明した上での話だ。

中には10年以上のお付き合いのある会社もいたので、困惑というより寂しい思いもした。

そして、はっきりと反社会的であると烙印を押された私は、何かとてつもなく悪い事をしようとしているのか?と不安な気持ちになったのを覚えている。

今まで積み重ねてきた信用が音を立てて崩れていくのを感じた。

 

CBD(大麻由来の成分)の事は2018年前半あたりから、その存在は知っていたが、私は大麻を毛嫌いしていたので、話を聞こうとも、自分で調べようともしなかった、私の頭の中にある唯一の情報は、誰から教わったのかもわからない「ダメ、絶対」という言葉だけだった・・・

大麻の可能性に気づいたのは2020年の10月ごろ、その時、たまたま目にしていた記事でCBDオイルの医療効果について記述があり、深く掘り下げて調べていくうちに、すっかり大麻の可能性に魅了されていた。

数々の情報を調べる事で、私の頭の中では、大麻=悪から大麻=善に切り替わっていた、その感情のまま、周りの人(大麻=悪)に大麻の有効性を話しても理解されないのは当然だった。

ひとつ誤解のないように言いたい事は、大麻=悪と考えている人は、一般的に常識のある人だ。

「大麻が悪いなんて事は常識だから、人は常識をわざわざ調べようとは思わない」

そんなこんなで大麻を支持する私は、犯罪者予備軍となった。

取引停止から、会社の売上は2ヶ月で30%落ち込み、数人のスタッフが辞め、新しい大麻関連事業を立ち上げた。

大麻関連事業を行うと周りに報告しただけで会社の被害は甚大だった。
(もちろん、私の力不足もあったと思う)

2020年代後半でこの威力なので、さらに前から大麻を扱っている会社や、団体・活動家の方の苦労は言うまでもない。

 

それからスタッフと日本での健全な大麻普及に向けて必要な事を洗い出す作業に入る。

そこで日本では「価格・品質・情報」の3つが世界的に見て低水準であるという結論に至り、その3つに焦点を当てて舵を切っていくという方針で目標を定めた。

原料の調達だが、CBD等大麻由来の製品を輸入するには、厚生労働省の許可が必要となる。

その手続きが困難な為、手続きを代行(一括購入)する会社が存在する、一般的には代行会社を通して、CBD等の原料を調達し、リキッドやオイルを製造する。

しかしながら、代行会社を通すと原料価格は上がる、当然の事だ。

CBD1gあたりの価格を世界各国で調査すると、日本がトップクラスに高額であるという事がわかる。

1g=2,000円程度が世界標準なのに対して日本での平均価格は約1g=5,000円以上という状況だ。

日本では大麻栽培が事実上で不可能であり、原料を海外に依存している事と、非常に厳しい輸入手続きが原料の高騰を招いている。

原料価格を下げる為には、現地の企業と直接契約し、ユーザーに直接届けるという流れを作る必要があった。

大麻先進国であるアメリカの企業から、信頼できる数社をピックアップして、コンタクトをとるようにアメリカ在住のスタッフ、杉山君に頼んだ。

 

私「CBD事業の事なんだけど、このリストの会社にメールして見積もりを貰って」

杉山君「はい、内容はどうしますか?」

私「日本の企業だけど、貴社と取引をしたいので、見積もり下さい、って感じでいいんじゃない」

杉山君「了解しました、それじゃ後でリストの会社にメールしておきますね」

 

CBD原料の調達先には、オーガニックはもちろん健康上の安全性は問題ないのか等、品質についてかなり厳しく調べたうえで企業選定した信頼ある4社だ。

余談ですが、不摂生のせいか一時期体調を崩してしまい、食事や生活習慣を改める事で改善した経験もあり、それからは健康には特に気を使っていた。

しかし、それから一週間たっても杉山君から連絡がなかった・・・

 

私「杉山君、CBD関連の件だけど、見積もりの連絡はきた?」

杉山君「うーん、あのあとすぐにメールを送ったのですが、4社とも連絡がなくて・・・・、」

私 「そーか、じゃあY社に電話で直接コンタクトをとってみて」

杉山君「はい、早速これから電話してみます」

それから、30分ほどたって杉山君から連絡が入った。

杉山君「電話で担当者と話してみましたが、海外向けには配送はしていないとの事で・・・・」

私「あーそれはしょうがないな・・・、海外配送を対応している企業を選択したつもりだったが、見落としがあったのかな?すまん、すまん、じゃあK社に連絡をとって、ここは世界中に取引先があるから大丈夫」

杉山君「了解しました、すぐに連絡します。」

この時、私の中では少し嫌な予感があった、ビジネスが難航する時にある、典型パターンだったからだ、

そして、その予感は当たった。

それからすぐに杉山君から連絡があった。

 

杉山君「社長、連絡をとったのですが海外配送できないとの事です」

私「そんなはずはないだろ、世界中で取引がある会社なんだから」

杉山君「いえ、どうやら日本企業とは取引できないという事みたいです」

私「えっ?どういう事?少ないけど、日本にもCBD関連の製品はあるぞ」

杉山君「それも説明したのですが、日本企業とは取引しないというのが社の方針だそうで・・・」

私「・・・・・・わかった、」

杉山君 「どうでしょうか社長、スタートは原料を国内で調達するというのは」

私「うん・・・・・また連絡するよ」

 

少し疲れてしまい、椅子に座った

私「ここでもか・・・・」

日本では数々の人から拒否された、私は大麻先進国のアメリカなら当然受け入れられると思っていた、いや、むしろ歓迎されると期待していた。

その期待はもろくも散っていった・・・

そういえば、よく考えてみると大麻事業を行うと決めてからは嫌な事ばかりだ・・・・、

そして、この段階で会社に成果物は何もない、あったのは私の頭にある構想だけだった。

これ、実現できるのか?

やっぱりコネが必要なんじゃ?

そもそも、直販モデルはリスクが高いんじゃないか?

価格は高くなるけど、とりあえず代行会社を使うか。

いや、むしろ撤退するか、最初からこれじゃ・・・・

 

私が直販モデル(直接契約)にこだわった理由は、実はCBDの販売価格を下げたいというだけではない。

一番の理由は海外資本の参入を危惧していたからだ。

大麻関連事業はアメリカやヨーロッパが先行しており、アジアは後追いの状況だ、その中でも日本はとりわけ遅れている。

日本ではアメリカやヨーロッパの企業が日本に子会社を作り、CBDの原料を販売するというモデルが定着しつつあった。

もちろん海外企業が悪いとは言わない、しかし、あまりに偏ると問題があると思っている。

大麻事業の根幹である原料を海外企業に依存しすぎると、日本はいつまで立っても大麻原料の販売や流通に関するノウハウが蓄積されず、外国企業に利益を吸い上げられる危険性がある。

それを回避する為には、日本企業が自ら原料の調達と販売チャネルのノウハウを取得し、競争力をつけるしか方法はない。

原料の調達と販売のノウハウがあれば、あとは抽出と栽培の技術だけだからだ。

いつの日か日本における大麻政策が緩和された時には、国産企業も活躍できるような状況を作り上げないと、社会に対して利益が還元されない危険性もある、そうなると大麻の普及なんて夢物語だ・・・・。

日本における大麻関連事業が、アップルやグーグルをはじめとする海外IT企業の独占のような状態になるのがどうしても嫌だった。

 

私はベランダに行き、CBDリキッドを吸っていた、CBDには鎮静作用があるとの事なので少し落ち着くためだ。

私は大麻事業を行うと決めてから、多くのCBD製品を試したが、体感はほどほど、という感じだ(摂取方法、成分によって体感は人それぞれだ)

それなのに、なぜ、こんな嫌な思いをしてまでCBDに取り組んでいるのか、疑問に思った、これも大麻の魔性というやつなのか??

CBDのおかげか、それとも新鮮な空気を吸ったせいか、少し気分は晴れていた

 

私「杉山君、お疲れ様~」

杉山君「社長、お疲れ様です、どうしましょうか?」

私「D社に連絡してくれるかな」

D社はアメリカで発祥の地とも呼ばれるコロラドの有名企業だった。

杉山君「D社ですか、わかりました、今度は断られても熱意をもって頼んでみます」

私「おそらく、無駄だよ」

杉山君「えっ」

私「合理主義のアメリカ人に熱意を伝えて頼んでも煙たがれるだけだ、ダメなモノはNOと言われるだけだよ」

杉山君「まー、そうでしょうねー・・・ではどうします?」

私「いいか、杉山君、日本の企業である事は決して伝えるな、その上で直接会って話がしたいとアポをとってくれ」

杉山君「会社のバックボーンは必ず聞かれますよ、うまくいきますかね?」

私「これから製品を作って会社を立ち上げる予定だ、原料として御社の製品を採用したい、とだけ言えばいい」

杉山君「あーなるほどー、それなら詳しく聞かれないかもしれませんね・・・」

私「とにかく、話し合いのテーブルにつかないと先にすすまん、」

私「電話だったら相手から色々と質問されるかもしれないから、メールで頼む」

杉山君「了解です、やってみます」

 

翌日、杉山君から連絡が入った。

杉山君「とりあえず、3週間後に担当者と会ってミーティングする約束ができました。しかし、これからどうします?」

私 「俺もいくよ」

杉山君「えっ、アメリカにくるんですか? それは面白くなってきましたねw」

私「面白くないよw」

杉谷君「コロナですけど、大丈夫ですか?」

私「ビジネス目的なら、おそらくね・・・・」

杉山君 「一度、断られた会社です、厳密には相手にされなかったのですが、大丈夫ですかね?」

私 「さーね、説得してみるよ」

杉山君 「やっぱり熱意じゃないですかw」

私 「今はそれしかないだろw。とにかく、なぜ、日本企業と取引できないのかだけでも詳しく聞き出す必要がある」

 

電話を切った私はネットで情報を調べて、航空券の手配を頼んだ、

私「〇×さん、航空券の手配をお願い、コロラドだからデンバー空港かな?」

事務「了解しました、あとでやっときます。」

私「えーと、渡航には、ワクチン接種・陰性証明・滞在先での待機・・・、うわっ、大変だな~、ついてもすぐに行動できないぞ・・・」

私「〇×さん、もう、航空券買った?」

事務「いえ、これからです」

私「じゃー、行先の変更をお願い」

事務「どちらにします?」

私 「ラスベガスで・・・」

事務「えっ、ギャンブルするんですか?」

私「しないよw、ついでに、レンタカーの手配もお願いできるかな?」

事務「レンタカーですか?」

私「そう、10日くらい」

事務「まさか、車でコロラドまでいくんですか?」

私「そうだよ、距離はどのくらいかな?」

事務「片道1200キロです、長崎から東京くらいありますよw」

私「・・・・・・・・、まっすぐの道ばかりだから大丈夫だろ、険しい道も走るかもしれないから、SUVで頼む」

事務「仕事でいくんですよねw」

私「そうだよw」

私は人生で1度でいいから、自分で運転してグランドサークルを回ってみたかった。
(グランドサークルとは、グランドキャニオンなど、アメリカの国立公園を周回する世界屈指のドライブコース)

まー、この短い期間に色々な事があったから、少しくらい息抜きにいいだろ、それに、考えを整理する時間も必要だしな。

 

それから数日後、私は空港に向かった。

長い出張になるので、少し寂しい思いをしながら、眠っている2歳になる子供の顔を見た。

タクシーで空港に向かうと、そこにはいつもと違う光景が広がっていた。

いつもは騒々しい空港だが、コロナ化の国際空港は静寂に包まれ、搭乗者よりスタッフの数のほうが多かった。

まだ、搭乗までに時間があったので、椅子に座っていつものように大麻関連の書籍を読んでいた。

アメリカに行っても断られたらどうしよう・・・、もう、後戻りできないしな~、いろいんなモノを失くした私は、物静かな空港に一人ポツンと座り、言いようのない不安に包まれていた。

これからスタートする、大麻事業の航海は大荒れになることは必至だったからだ・・・

静寂の空港に「キン・コン・カン」と搭乗を告げるアナウンスだけが場内に響き、決して順風満帆にはならない出航への合図を告げていた・・・

 

「大麻狂騒曲」グランドサークル編へ続く→

 

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