創業ストーリー

サイバーリーフ【創業ストーリー】~大麻狂騒曲 グランドサークル編②~

2021年10月5日

Cyber Leaf 大麻狂騒曲

Cyber Leaf ~大麻狂騒曲 グランドサークル編②~

長いフライトを終え、ラスベガスにあるマッカラン国際空港に着いた。

飛行機を降りたとたん、空港内にスロットマシンが立ち並び、世界有数のカジノの街という事を実感する。

数日間の待機が必要なため、私はホテルではなくエアビーで宿泊先を予約していた。

コロナ化で必要な手続きを済ませて、近くのスーパーで食料を買い込み、数日待機した。

冬眠した熊のような待機期間が明け、さっそくレンタカーを借りるため、センターへ向かう。

ラスベガスのレンタカーショップは巨大で、ショッピングモールの駐車場のような作りになっている。

レンタカーセンターは人がいっぱいで、マスクを付けている人は少なく、コロナ化である事を忘れてしまいそうな程の賑わいがあった。

アメリカでは一足先にコロナ収束ムードのようだった。

 

空港のカウンターのような場所で受付を済ませたが、英語が苦手な私は、半分くらいしか理解できなかっが、そのまま受付が終わり、私は駐車場をさまよっていた。

 

私「しかし、広くてよくわからないなー、そういえばどの車をレンタルするのかな?SUVだと思うけど・・・」

フラフラと歩いていると話かけられる。

 

アメリカ人「どうしたんだい?」

私「どの車かわからないんです。」

アメリカ人「Oh、書類を見せてくれ」

私は持っていた受付書類を見せた。

 

アメリカ人「OKついてこい、こっちだ」

少し歩いた所でこう言われた。

アメリカ人「この区画の車だよ」

私「ありがとう、助かったよ」

そこには、SUV車が数十台ならんでいた、親切なアメリカ人はそのまま消えていった。

私「そういえば、どの車かわからないぞ、キーも貰ってないし・・・・まいったな」

迷っていると、近くに店員らしき人がいたいので、話しかける。

私「すみません、どの車かわからないんです」

店員「OK書類を見せてくれ・・・・、この区画で大丈夫だよ」

私「どの車ですか?受付で鍵を貰ってないんです」

店員「鍵は車の中にあるよ、この区画の好きな車に乗っていいんだ」

私「OKそれは楽しそうだ、ありがとう」

 

その区画には実に様々な国のメーカーがあった、これも多民族国家であるアメリカならではと言える。

日本のレンタカーでは車は決まっており、客は車を自由に選択する事はできない。

一方、アメリカでは車のランクを選択し、最終的に乗る車は客が決定できるシステムになっていた、選択の自由が尊重されるアメリカらしい制度といえる。

 

私「どれにしようかなー、日本車もあるな、あっ韓国車もあるぞ、ヨーロッパの車も乗ってみたいなー」

私は10日間の相棒である黒のアメ車(サバーバン)を選択した。

 

車のエンジンをかけ、駐車場から外に出て、緊張しながら初めてアメリカの路上を運転してすぐに違和感に気づいた、すべてが逆になっていたからだ。

左ハンドルの車は運転した事があったので、問題はなかったが、大変なのは右左折だ、右折する際には手前の車線に入り、左折する際は奥の車線に入る、単純だが日本での運転になれていると、何度も逆走しそうになる。

 

私「左が手前で、右が奥・・・・、なんか逆走しているみたいで怖いなー、とにかく街から出て、グランドサークルへ向かおう、さっきから信号待ちでクラクション鳴らされてるな・・・なんだろう?」

 

あとで気づいたが、アメリカでは、赤信号で完全に停車し安全を確認できれば右折できる。

私が対向車がいないのに赤信号で止まって、青信号を待っていたので「早く曲がれ」とクラクションを鳴らされていたのだ。

とにかくはた迷惑な国際初心者ドライバーだった。

 

私は途中のスーパーで飲み物と簡単な食べ物を買い、小さい頃から一度は行ってみたかった、グランドサークルへと続くルートへ向かう。

空は雲ひとつない快晴で、まるでこれから冒険にでかけるような気分になり、私はワクワクしていた。

やがて、街並みが寂しくなり、少しづつアメリカの雄大な自然が姿を現してきた。

そこには夢にまで観た景色が広がっていた・・・

周りは水平線まで広がる一面茶褐色の岩々、空は青く、そのコントラストはまるで映画のセットに入り込んでいるようだった。

 

例えるなら、少し古いがバックトゥザフューチャー3に出てくる西部開拓時代をデロリアンで疾走しているような感じだ。

私「いや、すごいなー、まるで異世界だ、まさか自分がこんな所を走っているとは・・・・、大麻事業をやって初めていい事があったなww」

 

この時ばかりは事業の事もすっかり忘れYou tubeで洋楽を流しながら、水平線まで続くまっすぐな道を走っていた。

まるで空から自分を見ているような不思議な感覚に包まれながら。

この時の感動は私の人生で決して忘れられない思い出のワンシーンとなる。

 

果てしなく続く1200キロ道のりは驚きの連続で退屈はしなかった、そこには本当に何もなく、対向車の姿すらみかけない、そんな孤独な…いや、自由な場所だった。

グランドサークルをドライブしながら、私はずっとあるモノを探していた、もしかしたら、あるんじゃないか?

そして、それをついに発見する、青い空と茶褐色の岩、その中間部分に見覚えのある緑の葉が微風に揺られながら一面に広がっていた、そう大麻畑だ。

ビニールハウスの中で育てているらしく、サイドのビニールは暑さ対策の為か、全開になっており、ハウス内が一望できる状態だった。

 

私は車を停車して、近くで眺める事にした。

 

私「これが噂の大麻か・・・」

 

日本では栽培が事実上禁止されているので、見かける事はまずないだろう、私もこの時、初めて見る事になる。

私「結構、厳重に警備してあるな、というか狙撃とかされないよな…、まー、マフィアが管理してるわけじゃないだろうし、大丈夫だろうw」

所持するだけでニュースに取り上げられ、重罪犯扱いされる植物という事もあり、これから大麻関連の事業を行う私ですら、実際に現物を見ると少し複雑な気分になった。

 

私「あまり近くだと、あきらかに不審者だな…、反対側の道の高台から見てみるか…」

私は車からスタバのコーヒーを持って、大麻畑を見渡せる高台に上って岩の上に座って休憩する事にした。

そこは、大麻畑が一望できた。

 

私「へー、広いな、ビニールハウス30棟はあるぞ、それに設備はまだ新しい…」それは、アメリカにおいても大麻がまだ始まって間もない産業である事を物語っていた。

しばらくすると、ビニールハウスのサイドが自動的に閉まり、水をまき始めた、ビニールハウス内の温度を感知して自動開閉するシステムだ、これにより、農作物は最適な環境で育つ事ができる。

(私は以前、農業関係の仕事をしていた事もあり少し詳しかった)

 

私「全自動式か、アメリカらしいな…でもこのハウスは高いだろうなー、安く見積もっても数億円はかかるぞ」

 

その大麻畑の光景はアメリカという国、そのものを映し出しているように私は見えた。

 

「アメリカは砂漠を森にする…」

 

アメリカという国の行動原理はシンプルで強力だ、砂漠に種があるとわかれば、そこに金という名の大量の雨を降らす。

時には数年、数十年かかる事もある、やがてその場所に新しい芽が出て森へと成長する。

そして、そこから生えてくる果実を収穫する、もちろん果実とは利益の事だ。

最終段階になると、その森を売却して、そこで得た利益で別の場所に大量の雨を降らす。

アメリカはいつの時代でも、このシンプルな方法で様々な社会問題を解決してきた。

 

今回のコロナ騒ぎもそうだ、世界中から優秀な研究者を集め、そこに大量の資金(雨)を投入、できたワクチン(果実)を自国民に接種し、世界中にそのワクチンを売却して利益を確定する。

 

2020年11月、バイデン大統領の当選確実の報が流れると、株式市場に大量の雨が降り注いだ。

その中でもとりわけ大雨を降らした2つの注目セクターがある。

一つはクリーンエネルギー、そしてもう一つは大麻関連銘柄だ。

 

大麻政策において、カナダに後れを取っていたアメリカは大麻に好感を持っているバイデン大統領が当選した事をきっかけに大きく動きだす。

その狂乱はゴールドラッシュにちなみ「グリーンラッシュ」と呼ばれ、多くの投資家がこぞって金という名の雨を降らした。

 

そして、その大雨によって、私の目の前にある枯れ果てた大地に最新設備を搭載したビニールハウスが立ち並び、その中で大麻が育っているというわけだ。

 

あるアメリカの農家は小麦農家から大麻農家に転身し、売り上げを20倍に増やしたというから驚きだ。

日本では金儲け主義と批判されそうだが、いつだって社会を変える原動力となるのは金なのだ・・・。

カリフォルニア州は2018年に嗜好用大麻を合法してから2年、同州の大麻による税収が累計で10億ドル(約1100億円)を超えたことを、カリフォルニア州税金管理局(CDTFA)が発表した。

大麻の購入に対して15%の税金が課され、税収のほとんどは、大麻産業の助成金・環境破壊への改善・貧困家庭や子供のケアを含む、社会問題にあてられた。

 

日本では議論が始まったばかりの大麻政策だが、ビジネスにおいては、すでに勝負はついていた。

私たち日本人は日本の税金にプラスしてアメリカの高額な税金を払い、CBD製品を買うしか選択肢はないのだ。

 

少しずつ日が傾いてきたので、私は車に乗り最終目的地である、コロラドのホテルへ向かった。

ホテルにつく頃にはあたりは暗く、私はチェックインを済ませ、部屋に入ると早々に眠ってしまった。

「大麻狂騒曲」アメリカ交渉・厚生労働省編 へ続く→

 

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